ピアノを弾くということ


「ピアノを弾く」という行為は、以下のことをわずか1小節、数秒の間に一瞬で同時にこなさなければなりません。数秒の間に以下の5つのことを同時進行していきます。
非常に難易度が高いことのように思えますが、ゆえに脳の活性化には抜群の効果を発揮します。
小さいうちから始めることで、身につくスピードはぐんと速くなります。
もちろん、大人の初心者さんでも可能です。
今から始めても遅くはありません。教室には大人の生徒さんも在籍しています。

その1【読譜能力】

楽譜を見て、音を認識する能力
楽譜に書かれている音符が読めないことにはピアノは弾けません。
小さいお子さんにとって「楽譜に書かれている音が何の音なのか覚える作業」というのは大変な労力です。
これは

1:音符を見る
2:その音符が何の音なのかを認識する

この2つのステップを同時に、わずかコンマ何秒の間にやらなければなりません。
一方、耳で音を覚えて弾くという「耳コピ」は、この思考プロセスが必要ありません。
ダイレクトに脳が反応してくれるため、考える作業が極端に少なくて済みます。

小さいお子さんの場合、この耳コピの方がはるかに楽なのです。
これに慣れてしまうと、楽譜を読む作業が苦痛になり、楽譜を読むよりも耳コピで弾く、という現象が起きてしまいます。そうなると、初めて見た楽譜をすぐに弾くこと(初見)が出来ません。

教室ではまずこの「楽譜を読めるようにする」という指導を徹底していきます。
その2【リズム感】

楽譜に書かれているリズムの通りに弾く能力
ピアノを演奏する際には様々なリズムが存在します。
そのリズムの形を覚え、楽譜に書かれている音を表現する必要があります。

リズムには決まりがありますので、その型を覚えていけばいいのです。
その3【ブラインドタッチ】

鍵盤のドレミの位置を覚えて、楽譜に書かれている音を弾く能力
パソコンのキーボードを入力する時のことを想像してみてください。
キーボードの位置はだいたい指で覚えていますね。

文字を入力するスピードが速い人は、入力する手元はほとんど見ずに画面を見ながら入力しているはずです。

ピアノもこの作業が必要になります。
パソコンの画面に流れてくる文字をリズム通りにオンタイムで押していくものだと思ってください。
ピアノの場合、それが88鍵あります。

流れてくるスピードが速ければ速いほど、またその数が多ければ多いほど(和音など)、そしてそのリズムが複雑であればあるほど手元を見ている暇はありません。
その4【表現力】

音楽記号などを認識し、自分の出している音を変化させながら弾く能力
楽譜には様々な音楽記号や速度表記、強弱記号などが存在します。
作曲家の支持するテンポ感や、強弱を守って表現しなければなりません。

また「自分が出している音を聴く」という作業が必要です。
そのうえで―この曲をどう表現したいか―という、自らの「表現しよう!」という気持ちが大事です。
その5【聴音力】

ペダルで音を変化させながら弾く能力
ピアノの経験者であれば経験があると思います。
難しい曲になればなるほど「弾くだけで精一杯」という現象です。

ただ弾けただけでは、聴く人の心を動かすことは出来ません。
ペダルを使って音のニュアンスを変化させましょう。

「ペダルは耳で踏む」

とは、自分が出している音を聴きながら、良い塩梅・さじ加減で踏んでいくセンスが必要です。

ピアノレッスンについて

教室では4歳〜60代まで、
幅広い年齢の方々が在籍しています。

未就学児〜小学校低学年の子供達は
ピアノが初めての子ばかりです。

初めてのピアノレッスン。
お子さんにとって初めての
習い事であればなおさら、
保護者の方も不安をお持ちかと思います。

私にも4歳の息子がいますので、
お気持ちがとてもよく分かります。

レッスンでは
子供達へのアドバイスは
丁寧にゆっくりお話しします。

そして、彼らが分からない時は
一方的に教えるのではなく
一つ一つ一緒に考えていきます。

子供達が頑張ったところは
しっかりと認めてあげて、
なおかつ具体的に褒めます。

綺麗な音で弾けたね
指の形を意識して弾くことができたね
楽譜を見ながら弾けたね
頑張って何回も練習してきたね
という風に。

また、保護者の方には
今日はレッスンで
こんなことができるようになっています
練習をとてもよく頑張ってきてくれました
など

日頃のご家庭での練習だけでは
目に見えづらい「成果」を
十分にお伝えすることを心がけています。

美しい音楽とともに
彼らが健やかに、たくましく成長することを
心から願っています。